Emacs org-modeを使ってみる: (5) TODOリスト
今回はTODOリストについて,使い方をまとめてみる.
なおUbuntu 8.04 LTSとEmacs22上で, org-6.34c (2010年1月10日リリース)の利用を前提にしている.
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設定
「(1) インストール」での設定に加えて,.emacs等の初期化ファイルに以下を追加する.
;; TODO状態 (setq org-todo-keywords '((sequence "TODO(t)" "WAIT(w)" "|" "DONE(d)" "SOMEDAY(s)"))) ;; DONEの時刻を記録 (setq org-log-done 'time)
TODOの追加
以下のように,見出しの先頭に「TODO」と記述すれば良い.
* 第1回ORG会議 ** TODO 資料準備
TODO状態の変更
ここでは以下のようにTODO状態を設定している(org-todo-keywordsの設定).各自の使い方に応じて変更して欲しい.
名前 | 意味 |
---|---|
TODO | 次に自分が何かのアクションを起こすべき状態 |
WAIT | 他人によるアクションや状況の変化を待っている状態 |
DONE | 処理が完了した状態 |
SOMEDAY | すぐではないがいつか行うつもりの状態 |
なし | いずれの状態でもない |
なお,ファイル中に以下のように記述すれば,ファイル毎に利用するTODO状態の種類を変更できる.
#+TODO: TODO(t) WAIT(w) | DONE(d) SOMEDAY(s)
見出しの場所で「C-c C-t」をタイプすると, TODO状態を変更できる.
あるいは,見出しの場所で「S-RIGHT」をタイプすれば次の状態に変更され,「S-LEFT」をタイプすると前の状態に変更される.
たとえば「TODO」の行で「S-RIGHT」をタイプすると以下のように「WAIT」状態になる.
* 第1回ORG会議 ** WAIT 資料準備
さらに「S-RIGHT」をタイプすると以下のように「DONE」状態になり,同時に現在のタイムスタンプが「CLOSED」の印と共に記録される(org-log-doneの設定).
* 第1回ORG会議 ** DONE 資料準備 CLOSED: [2010-02-07 日 00:00]
優先度の変更
優先度はAを最優先としてB, Cの3通りが設定できる.
見出しの行で「S-UP」をタイプすると,初期値として「B」が設定され,さらに「S-UP」をタイプすると「A」に変更される.
* 第1回ORG会議 ** TODO [#A] 資料準備
見出しの行で「S-DOWN」をタイプすると,優先度を下げることができる.
タイムスタンプの設定
org-modeのタイムスタンプには,以下のような種類がある.
例 | 意味 |
---|---|
<2010-02-07 日> | 日付 |
<2010-02-07 日 13:00> | 日付と時間 |
<2010-02-07 日 13:00-14:00> | 日付と時間範囲 |
<2010-02-07 日>--<2010-02-10 水> | 日付範囲 |
<2010-02-07 日>等ではなく,[2010-02-07 日] のように角カッコでくくると,アジェンダ等には表示されない非活性なタイムスタンプとなる.
タイムスタンプの前には,以下のようなキーワードを付ける場合がある.
キーワード | 意味 |
---|---|
DEADLINE | アクションの締切り日 |
SCHEDULED | アクションを行う予定日 |
CLOCK | 計時用 |
なし | 会議の開催日等の日程 |
日時の設定
年月日を入力するには,入力したい場所で「C-c .」とタイプする.すると,カレンダーが表示されるので,「S-矢印」で日を選択し,「RET」をタイプする.
* 第1回ORG会議 <2010-02-26 金> ** TODO [#A] 資料準備
年月日を変更したい場合は,タイムスタンプの場所で「C-c .」をタイプすれば良い.あるいは,タイムスタンプの場所で「S-矢印」により年月日を増減することもできる.
時間は直接入力するか,「C-u C-c .」で時間付きのタイムスタンプを入力した後,「S-矢印」で時刻を増減すれば良い.
* 第1回ORG会議 <2010-02-26 金 13:30> ** TODO [#A] 資料準備
締切り日(DEADLINE)の設定
アクションを行うべき最終的な締切り日(DEADLINE)を入力するには「C-c C-d」とタイプする.
* 第1回ORG会議 <2010-02-26 金 13:30> ** TODO [#A] 資料準備 DEADLINE: <2010-02-25 木>
予定日(SCHEDULED)の設定
アクションを行う予定の日(SCHEDULED)を決めたら,「C-c C-s」とタイプし,予定日を入力する.
* 第1回ORG会議 <2010-02-26 金 13:30> ** TODO [#A] 資料準備 DEADLINE: <2010-02-25 木> SCHEDULED: <2010-02-22 月>
「SCHEDULED」キーワードは,自分がアクションを行う日に対して用いるのであって,会議の開催日などに用いるものではない.
主なキーバインドのまとめ
キー | 処理 |
---|---|
C-c C-t | TODO状態を変更 |
S-RIGHT | TODO状態を次の状態にする |
S-LEFT | TODO状態を前の状態にする |
S-DOWN | 優先度を下げる |
S-UP | 優先度を上げる |
C-c . | 日の入力 |
C-u C-c . | 日時の入力 |
C-c C-d | 締切り日(DEADLINE)の設定 |
C-c C-s | 予定日(SCHEDULED)の設定 |
C-c C-v | TODOのスパース木表示 |
タイムスタンプ
キー | 処理 |
---|---|
S-RIGHT | 次の日 |
S-LEFT | 前の日 |
S-DOWN | 年月日時分を減らす |
S-UP | 年月日時分を増やす |
カレンダー
キー | 処理 |
---|---|
S-RIGHT | 次の日 |
S-LEFT | 前の日 |
S-DOWN | 次の週 |
S-UP | 前の週 |
> | 次の月 |
< | 前の月 |
「Emacs org-modeを使ってみる」の目次
- (1) インストール
- (2) 見出しと項目の編集
- (3) 表の編集
- (4) 表計算
- (5) TODOリスト
- (6) アジェンダ表示
- (7) ハイパーリンク
- (8) メモを取る
- (9) キーバインド1/3
- (10) キーバインド2/3
- (11) キーバインド3/3
- (12) GTDツールとして
- (13) HTMLにエクスポート
- (14) LaTeXにエクスポート
- (15) Beamerにエクスポート
- (16) エクスポート結果
- (17) orgの表を埋め込む
- (18) 計時
- (19) graphvizとditaaの図を埋め込む
- (20) gnuplotを呼び出す
- (21) LaTeX数式のインライン画像表示
- (22) RSSフィードを取り込む
- (23) エクスポート時に利用できるLaTeX記号
- (24) 繰り返し行動の記録
- (25) iCalendarにエクスポート
- (26) タグとプロパティ
- (27) ドローワとアーカイブ
- (28) バッファ内設定一覧
- (29) エクスポートオプション一覧
- (30) CSSクラス名一覧
- (31) Emacs Lispの実行
- (32) HTML表のスタイル設定
- (33) 脚注と参考文献の利用
- (34) 短縮形リンクの利用
- (35) org-babel-perlを使う1/4
- (36) org-babel-perlを使う2/4
- (37) org-babel-perlを使う3/4
- (38) org-babel-perlを使う4/4
- (39) speedbarを使う
- (40) org-babel-Rを使う1/2
- (41) org-babel-Rを使う2/2
- (42) 日本語化ditaaの利用
- (43) mhcをインポート
- (44) 再びHTMLにエクスポート
- (45) Firefoxからブックマーク