加算覆面算の数え上げ

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概要

覆面算は,異なる文字に異なる数字(0-9の一つ)を割り当て,加算が成り立つようにする問題である.なお,2桁以上の場合,最上位は0にできない.また,当然,唯一解(ちょうど一つの解)の問題が対象となる.
以下は,有名なSEND+MORE=MONEYの問題である.

  問題  SEND + MORE = MONEY
  解答  9567 + 1085 = 10652

覆面算では,同じ文字か異なる文字かということだけが意味を持つ.したがって S→A, E→B, N→C, D→D, M→E, O→F, R→G, Y→H のように文字を置き換えても同一の問題である.

  置換前  SEND + MORE = MONEY
  置換後  ABCD + EFGB = EFCBH

また「MORE+SEND=MONEY」も同一の問題と考えることができる.ここで M→A, O→B, R→C, E→D, S→E, N→F, D→G, Y→H のように文字を置き換えても同一の問題である.

  置換前  MORE + SEND = MONEY
  置換後  ABCD + EDFG = ABFDH

最初の「ABCD+EFGB=EFCBH」と次の「ABCD+EDFG=ABFDH」を見ると,後者のほうが辞書順で前になる.
そこで,「ABCD+EDFG=ABFDH」を「SEND+MORE=MONEY」の標準形の問題とみなし,標準形の唯一解の問題がいくつ存在するかを数え上げる.

唯一解の加算覆面算の個数

第1項が1桁の場合

「1桁+1桁=1桁」の問題は,以下の4通りがある.

A+A=A
A+A=B
A+B=B
A+B=C

そのうち,唯一解になる問題は「A+A=A」のみの一通りである.


第1項の
桁数
第2項の
桁数
和の
桁数
問題の
総数
唯一解の
問題数
備考
11141A+A=A (0+0=0)
112111A+B=AC (1+9=10)
122521A+BA=AB (9+89=98)
1232036A+AA=BCD (9+99=108) など
13387716A+ABA=AAB (9+989=998) など
13441406A+AAA=BCCD (9+999=1008) など
1442114775A+AABA=AAAB (9+9989=9998) など
1451159756A+AAAA=BCCCD (9+9999=10008) など
155678569301A+AAABA=AAAAB (9+99989=99998) など
15642135306A+AAAAA=BCCCCD (9+99999=100008) など
166276419271179A+AAAABA=AAAAAB (9+999989=999998) など
上の表を見ると「1桁+n桁=(n+1)桁」は6通りと予想できる.
ただし,「1桁+7桁=7桁」,「1桁+8桁=8桁」等について,唯一解の問題数は不明である.

第1項が2桁の場合


第1項の
桁数
第2項の
桁数
和の
桁数
問題の
総数
唯一解の
問題数
備考
2221170
22348740AA+AA=BAC (99+99=198) など
233414079AA+AAB=CBA (55+550=605) など
23421147192AA+AAA=BCAD (99+999=1098) など
244115975976AA+AAAB=ACBA (55+5550=5605) など
245678569192AA+AAAA=BCCAD (99+9999=10098) など
25542135304950AA+AAAAB=AACBA (55+55550=55605) など
25627641927192AA+AAAAA=BCCCAD (99+99999=100098) など
26619082979723460AA+AAAAAB=AAACBA (55+555550=555605) など

第1項が3桁の場合


第1項の
桁数
第2項の
桁数
和の
桁数
問題の
総数
唯一解の
問題数
備考
33310848187AAA+AAB=BCD (444+448=892) など
334590472401AAA+AAA=BAAC (999+999=1998) など
34467856916444AAA+AAAB=ABCD (444+4448=4892) など
345421353024314AAA+AAAA=BCAAD (999+9999=10998) など
35527641927238173AAA+AAAAB=AABCD (444+44448=44892) など
35619082979724314AAA+AAAAA=BCCAAD (999+99999=100998) など
36613813679411560325AAA+AAAAAB=AAABCD (444+444448=444892) など

第1項が4桁の場合


第1項の
桁数
第2項の
桁数
和の
桁数
問題の
総数
唯一解の
問題数
備考
444211392247404AAAA+AAAB=BBCD (4444+4448=8892) など
44513853391564427AAAA+AAAA=BAAAC (9999+9999=19998) など
4551908297977291425AAAA+AAAAB=ABBCD (4444+44448=48892) など
45613813679417349936AAAA+AAAAA=BCAAAD (9999+99999=109998) など

10数字のすべてが出現する最小の唯一解の問題

10数字のすべてが出現する唯一解の問題のうち,合計の桁数が最も小さいのは,「3桁+4桁=5桁」の場合で以下の8通りである.

ABA+BCDE=FGHIJ (393+9864=10257)
ABA+CDCE=FGHIJ (363+9894=10257)
ABC+BCDE=FGHIJ (893+9364=10257)
ABC+BDEA=FGHIJ (394+9863=10257)
ABC+BDED=FGHIJ (894+9363=10257)
ABC+DCDE=FGHIJ (863+9394=10257)
ABC+DEDA=FGHIJ (364+9893=10257)
ABC+DEDE=FGHIJ (864+9393=10257)