Emacs org-modeを使ってみる: (3) 表の編集
今回は表の編集について,使い方をまとめてみる.
なおUbuntu 8.04 LTSとEmacs22上で, org-6.34c (2010年1月10日リリース)の利用を前提にしている.
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表の編集
org-modeの機能で驚くことは多いが,表の編集もその一つだ.
なお,以下で説明する機能の多くは, text-modeなどの他のモードでも「M-x orgtbl-mode RET」として, orgtbl-modeをマイナーモードにすることで利用可能になる.
また,日本語入力時に表が崩れる場合は,以下のパッチを当てておく.
表の入力
表は「|」で区切ってデータを入力していく.「
」はカーソル位置を示す.
|バス|200|
行の最後で TAB をタイプすると,整形されて次の行に移る.
| バス | 200 |
| | |
以下は,データを入力するたびに TAB をタイプする. TAB をタイプするごとにきれいに整形される!
| バス | 200 |
| 電車 | 160 |
| 新幹線 | 15000 |
| | |
横線の入力には「|-」で始まる行を入力する.
|-
| バス | 200 |
| 電車 | 160 |
| 新幹線 | 15000 |
| | |
TAB をタイプすると,横線が入力される!
|--------+-------|
| バス | 200 |
| 電車 | 160 |
| 新幹線 | 15000 |
| | |
あるいは「C-c -」で現在の行の下に横線が引かれる.
行や列の移動
|--------+-------|
| バス | 200 |
| 電車 | 160 |
| 新幹線 | 15000 |
上の状態で,「M-DOWN」をタイプすると行が下に移動する.
|--------+-------|
| 電車 | 160 |
| バス | 200 |
| 新幹線 | 15000 |
「M-UP」,「M-LEFT」,「M-RIGHT」は同様に行の上への移動,列の左右の移動である.
インポート
カンマ区切りやタブ区切りでデータが並べられた領域を, transient-mark-modeでリージョンとして選択して,「C-c |」をタイプすると 表に変換できる.
たとえば,以下で「昼」の位置で「C-SPC C-SPC」をタイプし,「1000」の右にカーソルを移動する.
昼食,500 夕食,1000
「C-c |」をタイプすると以下のように表に整形される.
| 昼食 | 500 | | 夕食 | 1000 |
なお,ファイルからのインポートは「M-x org-table-import RET」を用いる.
エクスポート
表の場所で「M-x org-table-export RET」とタイプして,ファイル名を指定した後,以下の形式でエクスポートできる.
orgtbl-to-tsv | タブ区切りのテキスト形式 |
orgtbl-to-csv | カンマ区切りのテキスト形式 |
orgtbl-to-html | HTML形式 |
orgtbl-to-latex | LaTeX形式 |
orgtbl-mode
マイナーモードのorgtbl-modeでも,行や列の移動を行いたければ以下のように設定する.必要に応じて,他のキーの設定も追加する.
(add-hook 'orgtbl-mode-hook (function (lambda () (define-key orgtbl-mode-map [?\e (return)] 'org-meta-return) (define-key orgtbl-mode-map [?\e (left)] 'org-metaleft) (define-key orgtbl-mode-map [?\e (right)] 'org-metaright) (define-key orgtbl-mode-map [?\e (up)] 'org-metaup) (define-key orgtbl-mode-map [?\e (down)] 'org-metadown) )))
主なキーバインドのまとめ
キー | 処理 |
---|---|
TAB | 次の欄へ移動.同時に表を整形 |
C-c C-c | 移動せずに表を整形 |
C-c - | 現在行の下に横線を挿入 |
M-UP | 行の上への移動 |
M-DOWN | 行の下への移動 |
M-LEFT | 行の左への移動 |
M-RIGHT | 行の右への移動 |
M-S-UP | 行を削除 |
M-S-DOWN | 行を挿入 |
M-S-LEFT | 列を削除 |
M-S-RIGHT | 列を挿入 |
M-RET | 入力欄を分割 |
「Emacs org-modeを使ってみる」の目次
- (1) インストール
- (2) 見出しと項目の編集
- (3) 表の編集
- (4) 表計算
- (5) TODOリスト
- (6) アジェンダ表示
- (7) ハイパーリンク
- (8) メモを取る
- (9) キーバインド1/3
- (10) キーバインド2/3
- (11) キーバインド3/3
- (12) GTDツールとして
- (13) HTMLにエクスポート
- (14) LaTeXにエクスポート
- (15) Beamerにエクスポート
- (16) エクスポート結果
- (17) orgの表を埋め込む
- (18) 計時
- (19) graphvizとditaaの図を埋め込む
- (20) gnuplotを呼び出す
- (21) LaTeX数式のインライン画像表示
- (22) RSSフィードを取り込む
- (23) エクスポート時に利用できるLaTeX記号
- (24) 繰り返し行動の記録
- (25) iCalendarにエクスポート
- (26) タグとプロパティ
- (27) ドローワとアーカイブ
- (28) バッファ内設定一覧
- (29) エクスポートオプション一覧
- (30) CSSクラス名一覧
- (31) Emacs Lispの実行
- (32) HTML表のスタイル設定
- (33) 脚注と参考文献の利用
- (34) 短縮形リンクの利用
- (35) org-babel-perlを使う1/4
- (36) org-babel-perlを使う2/4
- (37) org-babel-perlを使う3/4
- (38) org-babel-perlを使う4/4
- (39) speedbarを使う
- (40) org-babel-Rを使う1/2
- (41) org-babel-Rを使う2/2
- (42) 日本語化ditaaの利用
- (43) mhcをインポート
- (44) 再びHTMLにエクスポート
- (45) Firefoxからブックマーク